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未分類 2011.07.27 (水)
最近、肺がんの患者さんからの相談が多く、関心を持って勉強していく必要があります。
今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)の肺癌関連ではこの領域における重要なoncogenic driverであるEML4-ALKと上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子変異に関する演題は数多くあり、かなり注目を集めて
いました。ALK阻害剤はまだ承認申請中であるにもかかわらず、これだけ多くの演題が取り上げられるのは異例のことです。この薬剤に対する期待がそれだけ大きいと考えられます。
「ALK陽性肺がん患者さんにおける世界的な臨床試験の開始からわずか3年で、米国と日本における新薬承認同時申請を実現できました。これは、クリゾチニブ担当チームの熱心な取り組みや、規制当局との生産的な議論を示す結果です。これまでの臨床試験結果から、クリゾチニブが承認されることで、ALK陽性進行NSCLC患者さんの治療パラダイムが変わる可能性があります」とファイザー社オンコロジー・ビジネス・ユニットのプレジデント兼ジェネラル・マネジャーであるGarry Nicholsonは述べています。

クリゾチニブは、2010年9月にFDAからオーファンドラッグ指定を、2010年12月にファストトラック指定を受けました。ファストトラック指定の一環として、2011年1月に段階的申請(rolling submission)を開始しました。FDAのファストトラックプロセスとは、重篤または生命にかかわる疾患に対する未だ満たされていない医療ニーズを充足する可能性を有する薬剤の開発を促進し、審査を迅速化するものです。日本においては、2010年3月にクリゾチニブのALK陽性進行NSCLC(非小細胞肺がん)患者における臨床試験を開始し、2011年1月に希少疾病用医薬品の指定を受けました。これらの申請は、外資系製薬企業による初めての日米新薬承認同時申請となります。

クリゾチニブは、世界初の未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)を阻害する経口製剤です。ALK遺伝子変異は、
NSCLCなどのがんにおける腫瘍発現の主な要因であると考えられています。肺がんにおけるALK融合遺伝子の存在は、日本人研究者によって2007年に初めて報告されました。予備的な疫学情報から、約3~5%のNSCLC患者がALK融合遺伝子陽性であると示唆されています。クリゾチニブはALKを阻害することにより、腫瘍細胞の成長と生存に必要と考えられる数々の細胞内シグナル伝達を遮断します。
これは、肺がん患者のALK陽性患者にとっては福音となりますが約3~5%のNSCLC患者がALK融合遺伝子陽性であるという事は、数字的には厳しいですが、少しずつ医療の進歩を感じます。
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