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未分類 2013.05.25 (土)
テレビドラマでは、主人公やその家族が、主治医から「あと半年の命です」などと宣告をうける場面が出てきます。あれをご覧になっているせいかどうかはわかりませんが、患者さんやそのご家族から「先生、あと、どれぐらいでしょうか?」と尋ねられることは、医師の多くが経験していることです。

しかしいくら医師とは言え、人の命がどうなるかは解らない、というのが実際のところではないかと思います。その一方で、、医師は「今日、明日が山場ですね」とか「あと、3ヶ月ぐらいでしょうか」といったことをお伝えすることがあります。
現場医師はどのように余命を判断しているのかをご説明しましょう。
がんの場合、治療を始める際にステージ・進行度を確認します。基本的には最も早期の「I期」から最も進行した「IV期」までの4段階に分類します。

がん治療の効果判定は、「5年後に何%の患者さんが生存されているか」ということに基づいて行い、これを「5年生存率」と言います。この5年生存率は、各臓器のがんについて統計的なデータが知られています。これらのデータに基づいて患者さんの大まかな予後を医師は念頭に置いて治療にあたります。

また、医師によってそれぞれ今までの経験があります。それらを踏まえて、例えば、胃がんのこの細胞のタイプで、IV期であれば、こんな感じの経緯をたどることが多かったということを思い浮かべながら、話をすることが多いのではないかと思います。これらの場合には、数ヶ月から数年単位で時間を申し上げることがあるように思います。ただ、患者さんやそのご家族さんから特にお尋ねがない場合には、あまり積極的にお伝えしていないのが現状ではないかと思います。

しかし、近年の医師・患者関係の変化のなかで、患者さんの自己決定権や知る権利ということが言われるようになってきており、積極的にこれらの情報も伝えた方が良いのではないかという意見も増えつつありますが、
知りたくない患者さんに突然「あなたは○○年しか生きられません」と余命宣告により生きる希望をなくしたりとそうした事により患者さんや家族とのトラブルが多く発生しています。

医師も神様ではありませんから、その患者さんの命の炎がいつ消えるのか、などということは、突き詰めていくとやはり「解らない」というのが正しい答えです。余命半年と言われて数年間元気でいらっしゃる方もいらっしゃいます。

もしも余命を患者さんや家族から聞かれた場合は、がんの患者さんには「統計的には○%と言われているけれど、これはあくまで統計的な平均であって、あなたが必ずそうなるというわけではありませんよ」とお伝えし、前向きに治療に取り組もうと・・・。また、終末期におられる患者さんのご家族には、病状の自然な変化として起こりうる現象であることをご説明し、人間は誰しも、最期はこのような形で人生を終えていくというお話をするのが一般的だと思います。


もし、あなたやあなたのご家族が、「余命は○ヶ月です」と言われたときには、今回のお話を思い出してみて下さいね。

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